道路交通法では2020年6月30日から「妨害運転罪」が新設され、いわゆる煽り運転を交通違反として摘発されることになりました。
また、7月2日には自動車運転死傷処罰法に危険運転致死傷罪の対象となる煽り運転のふたつの行為が追加されました。
テレビや新聞等で報道されていますがなかなか詳細が分からないので、この煽り運転の法律について調べてみました。
INDEX
煽り運転の対象となる違反について
通行区分違反
センターラインを越えて対向車線を逆走して、故意に他の車の走行を妨害する運転すると違反になります。
走行中に急に目の前に車が突っ込んできたら、急ハンドルを切って事故になったり、急ブレーキで追突されたりなど大事故につながる恐れがありますね。
急ブレーキ禁止違反
直前を走っている車が故意に急ブレーキをかけて、後ろの車を驚かす行為は煽り運転になります。
後ろから追突した場合は事故の過失が100%になるのが通例でしたから、狙って急ブレーキを掛けることがあるのではとも思います。
一歩間違えば追突事故につながる危険な行為ですね。
以前は追突した場合に煽り運転を証明するのが困難でしたが、近年はドライレコーダーによって証明できるようになってきています。
車間距離不保持
煽り運転典型的なケースですね。
車間距離を極端に詰めて煽る行為ですが、故意に行われるとすごく恐怖を感じますね。
運転者の中には気付かずに車間距離を詰める人がいますが、違反になりこともあり得るので注意して運転することが大事ですね。
進路変更禁止違反
進路変更で後続の車の走行を妨害すると違反になります。
煽り運転ではよくあるようで、後続の車が避けようと進路変更をしたら、同じように進路変更して走行を妨害するようですね。
逆に、無理な進路変更が原因で後続の車に煽り運転を受けることもあるようで、安全な進路変更に心がけましょう。
追い越し違反
日本は左側通行ですから、追い越しは前の車の右側から追い越さなければいけません。前の車の左側から無理に追い越す運転は追い越し違反になります。
滅光等義務違反
夜間走行では、対向車や先行車がいる場合はロービームで走行しなければいけないのですが、故意にハイビームにして走行したり、ハイとローを何度も切り替えるパッシングする行為は滅光等義務違反になります。
高速道路などで、追い越し車線を走行していると後続の車にパッシングされることがよくありますが、これも違反ですよね。
でも、個人的には素直に車線変更して譲ることにしています。
警音器使用制限違反
前の車が遅いからけたたましくホーン(クラクションと言ったりしますが)を鳴らしてどくように仕向けるのも違反です。
運転していると遅い車にイライラすることもあるかもしれませんが、ホーンで追い立てるようなことをしてはいけません。落ち着いて運転しましょう。
安全運転義務違反
幅寄せや蛇行運転など通常では考えられない不適切な運転など、幅広く適用される違反になります。
普通車を運転していて、大型車から幅寄せされると本当に危険を感じますね。
管理人もこれまでに何度か幅寄せされた経験があります。
最低速度違反(高速自動車国道)
高速道路では危険なので原則として最低速度(時速50キロ)以下では走行できません。
後続の車に嫌がらせを行うために、この最低速度以下で走行すると違反になります。
高速自動車等駐停車違反
高速道路では、パーキングエリアもしくはサービスエリア以外での駐停車はできません。
高速道路上に故意に停車させれれば大事故につながる恐れがありすごく危険です。
2017年に東名高速道路で、追い越し車線に停車させられてトラックに追突され死亡された煽り運転事故が思い出されます。
煽り運転に対する罰則
妨害運転(交通の危険のおそれ)
他の車両等を妨害する目的で、前述の10類型の違反行為で道路に置ける交通の危険を生じさせるおそれがある行為をいた場合、
違反点数25点、免許取消し(欠格期間2年 ※前歴や累積点数がある場合は最大5年)
つまり、煽り運転したら危険を生じさせていなくても、危険のおそれがあれば罰せられることになるのです。
ドライバーは煽り運転をしたら、即免許取消しだということをよく認識すべきですね。
妨害運転(著しい交通の危険)
上記の罪を犯し、高速自動車国道等において他の自動車を停車させ、その道路において著しい危険を生じさせた場合、
違反点数35点、免許取消し(欠格期間3年 ※前歴や累積点数がある場合は最大10年)
煽り運転で著しい危険を生じさせた場合は、罪が重くなるのです。
自転車の煽り運転
今回の法改正では、自転車の煽り運転も危険行為になります。
改正前は、酒酔いや信号無視、遮断機の下りた踏切の立ち入りなど14項目が規定されていたのですが、今回の法改正で妨害運転の項目が追加されました。
妨害運転には「逆走して進路をふさぐ」「幅寄せ」「進路変更」「不必要な急ブレーキ」「ベルをしつこく鳴らす」「車間距離の不保持」「追い越し違反」が想定されているようです。
安全講習を受講しない場合は5万円以下の罰金と定められています。
煽り運転の法律に関するまとめ
煽り運転が社会問題となる前は、管理人も煽り運転を受けた経験があります。
煽り運転を受けるきっかけは車線変更でした。無理に車線変更したわけではないのですが、よっぽど気に入らなかったのか後ろからパッシングや車間距離を詰められたのです。
当時は私も若かったので逃げること無く対抗したのですが、今思うと怖くなりますね。
現在は安全運転に心がけ、自衛のためですがドライブレコーダーを取付、運転中は車の前方・後方を記録しています。
今回の法改正で、煽り運転が無くなってくれることを期待しています。