2020年5月27日(水)に第2次補正予算が閣議決定されました。おそらく6月中旬の国会会期末までには成立する見込みになりました。
各メディアでも第2次補正予算2020に関して報道がありありますが、第2次補正予算の内訳が非常にわかりにくいですね。
ネット等で各専門家の方々が説明しておられますので、分かる範囲で内訳を整理してみることにしました。
INDEX
令和2年度一般会計補正予算(第2号)フレーム
歳出・歳入を左右に並べた表(フレーム)は下記になります。簿記をご存じの方なら、問題無く理解出来るでしょう。
左記の項目の歳出について、建設国債と特例国債(赤字国債)で調達する事になっています。
建設国債って何ですか?
建設国債とは国がトンネルや橋を造るための公共事業費や出資金・貸付金の財源に充てるために発行する国債なんだよ。
特例国債(赤字国債)とどう違うの?
建設国債は財政法という法律で発行が認められてるけど、赤字国債は禁止なんだ。
でも、特例法で発行できるようにしているんだね、
第2次補正予算における歳出の内訳
(1)雇用調整助成金の拡充等
コロナ対策で休業等を行う事業主に支払われる労働者の雇用の維持を目的とした助成金で、第1次補正では1人1日あたり8,330円が上限でしたが、15,000円まで引き上げるための拡充予算です。
安倍首相「事業と雇用は守り抜く」 家賃負担最大600万円https://t.co/MwpJWgW1Yf
雇用調整助成金の上限額を1人当たり日額8330円から1万5000円に引き上げるとともに、被雇用者に直接給付する仕組みも導入すると説明。自治体向けに創設した地方創生臨時交付金も2兆円積み増すと発表した。
— 産経ニュース (@Sankei_news) May 25, 2020
(2)資金繰り対応の強化
内訳は、中小・小規模事業者向けの融資が88,174億円、中堅・大企業向けの融資が4,521億円で、資本性資金の活用が23,692億円です。
資本性資金の活用ってなに?
これはね、企業が資本と見なすことができる融資(企業にとっては借入金)になんだよね。
資本と見なすことができる借入金? 難しいなあ?
資本性劣後ローンといわれる借入金で、貸付期間は10年や20年など長くて一括償還なんだ。
会計上は負債ではなく資本とみなされるから、借金じゃないってこと。
つまり、借金が少ないと新たな借金も可能になり、企業には有り難い融資制度なんだよね。
「資金繰り対応の強化」は企業にとって雇用を維持などにはすごく役立つ施策と思われますが、GDPには影響を及ぼさないらしいのです。
したがって、真水には含めないと判断されている専門家もおられるようです。
(3)家賃支援給付金の創設
コロナ禍では事業経営にとって経済的負担となるのは固定費である「人件費」「地代・家賃」です。
営業自粛によって経営が悪化した事業者に事業の下支えとして地代・家賃を支援する施策になります。
概要は、算定給付額は直近の月額家賃を基準に算定され「算定給付額×6か月分」です。法人で最大600万円、個人で最大300万円が支給されます。
ただし、支給には条件がありますので確認が必要でしょう。
わかりやすい事例入り説明です。コロナ救済策「家賃支援給付金」が閣議決定!法人最大600万円、個人最大300万円の家賃補助 | 会計人ニュース https://t.co/1Hp8bWX8jY
— 浜松商工会議所(公式) (@hamamatsucci) June 3, 2020
(4)医療提供体制等の強化
内訳は新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が22,370億円で、その内医療に16,279億円、介護等に6,091億円です。
また、医療用マスク等の医療機関等への配布が4,379億円。ワクチン・治療薬の開発等に2,055億円です。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金では、緊急に対応が必要な「新型コロナウイルへの医療提供体制」整備が行われます。
病床確保や人工呼吸器・ECMO整備費等を支援なども行われるようですね。
(5)その他の支援
①新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充
第1次補正で各自治体への総額1兆円が交付が決定していますが、第2次補正予算で増額されるようです。
②低所得のひとり親世帯への追加的な給付
低所得の一人親世帯への臨時給付金になります。
概要は低所得の家庭向けの児童扶養手当を受給している世帯に5万円の「臨時特別給付金」を支給され、子どもが1人増えるごとに3万円ずつ加算されます。
③持続化給付金の対応強化
第1次補正で2兆円超の持続化給付金が確保されましたが、100万社を超える申請があるようで資金の枯渇が心配されていました。
第2次補正予算で約2兆円の予算が確保されるようです。
(6)新型コロナウイルス感染症対策予備費
予備費は予見し難い予算の不足に充当されるために計上されます。
新型コロナウイルス感染症対応では迅速な予算措置が必要なので、予め使途を限定しない予備費が計上されます。
野党からは政府が勝手に予算施行できるからと批判があるようですが、国民の監視が厳しい中で無駄な使い方は出来ないと思います。
予算措置が遅い遅いと批判が大きいので、迅速な対応をするための予算措置なのでしょう。
第2次補正予算2020の内訳についてのまとめ
私、個人としては1日も早く経済が回復し新型コロナウイルス感染拡大前の生活に戻ることが一番の願いです。
その為には、国や自治体には休業要請で苦難に耐えておられる企業や個人経営者や、職を失ったり休業で収入の無く困っている個人への支援を精一杯行って欲しいと思います。
私自身は幸いにも以前と変わらぬ生活を続けられていますが、国全体が元の状態に戻らないとこのまま安泰ではいられないでしょう。
その為には、政府には第2次補正で終わらすに、必要なら第3次補正もいとわない覚悟をもって対処して欲しいですね。